十勝牧場 ~ 展望台からは十勝北方の眺めが抜群です!
十勝牧場は、十勝平野の中央部にある広大な牧場です。十勝平野には牧場がたくさんありますが、十勝牧場は畑作地帯の中央部にポッカリと広がっており、他とは少し違っています。それは、十勝牧場が畜産技術の試験場で、独立行政法人家畜改良センター十勝牧場が所有するものだからです。
そのため、立ち入りの出来ない場所が大半を占めるのですが、観光用として一部が解放されています。特に個人的には展望台が大のお気に入りで、若かったころ頻繁に足を運んでいました。
その十勝牧場の魅力を紹介しましょう。
1.十勝牧場の概要
十勝牧場は、音更町駒場を中心とする、畜産技術の向上を目的とした牧場です。
十勝牧場では、肉用牛、乳用牛、農用馬、めん羊について畜産新技術を活用した改良増殖を行い、優良な種畜や精液を全国に供給しているほか、家畜のエサとなる飼料作物の生産や、国内で育成された優良な飼料作物種子の増殖など、改良と技術で日本の畜産に貢献しています。
昔は確か、「十勝種畜牧場」と呼ばれていました。牧場施設は駒場周辺にありますが、牧場自体は北方に広がっていて広大です。牧場内には、開拓前からあるカシワの木や、人工的な防風林、木造の建造物など、見どころがたくさんあります。もちろん、牛や馬なども数多くいて、十勝の牧場風景を十分楽しめます。
それでは、見どころを詳しく紹介しましょう。
2.白樺並木
白樺並木は、十勝牧場の入口にある、牧場のシンボル的な存在です。並木の長さは1.3kmもあり、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪を纏った景色がとても美しいです。そして十勝牧場としてだけでなく、十勝の代表的な風景としても良く紹介されています。
「管理事務所横にある古い建物」
入口に駐車場がありますから、車を停めて歩いてみてはいかがでしょうか。ちなみに、白樺並木の終点付近に管理事務所があります。ここでは牧場の情報を得たり、案内のパンフレットがもらえます。ぜひ、寄ってみましょう。
3.馬の放牧
展望台への道を進むと、馬が放牧されています。日高地方のサラブレッドとは違い、ここで飼われている馬はガッシリとした農耕馬です。人をそれほど恐れませんが、あまり近くには寄らない方が良いでしょう。
出典:youtube
また、冬期間は牧場内が雪で閉ざされるため、馬の運動不足が深刻になります。そこで「馬追い運動」と言う、牧場内にあるトラックでの馬の雪中運動が行われます。その光景は良くテレビなどで紹介されます。音更町駒場は冬に氷点下30度近くまで下がる場所なので、吐く息が白く上がって勇壮な光景になります。
4.夫婦柏
展望台に近づくと、道の両側に大きなカシワの木が立っています。これは「夫婦柏」と呼ばれていて、樹齢が200年という大木です。十勝牧場内には大きなカシワの木がいくつもありますが、まるで夫婦のように立つ2本のカシワは、牧場内の代表的な大木として昔から大事にされてきました。
以前は周りに何もなくて目立つ存在でしたが、今は他の木が伸びて埋もれてきました。自然に任せるのが良いのか、周りを適度に伐採するのが良いのかは難しいですね。
5.展望台
十勝牧場の西側の高台に展望台があります。ここは、舗装された大きな駐車場やトイレもある整備された展望台です。昔は来る人も少なくて穴場的な存在でしたが、最近は観光客も多くなってきました。
高台と言っても顕著に高いわけではないですが、北方向に遮るものがなくて素晴らしい展望が広がっています。十勝平野が然別の山裾まで続いていて、然別の山の後ろにウペペサンケ山が聳える素晴らしい眺めです。
(撮影日は曇っていて然別の山が見えませんでした。後日、入れ替えます)
また、西の方向も日高山脈が連なっていて、夕日が落ちる光景は素晴らしいです。そして、夕日が落ちた後の余韻も美しいです。
展望台にある櫓の上に登ると南方向も見えますが、それほど良くは見えません。登っても見える風景はそれほど変わらないです。
展望台周辺で飼われている家畜は、乳牛のホルスタインである場合が多いです。いつも視界内にいるとは限らないのが難しいところです。ここで昔は粘って写真を撮っていましたが、なかなかチャンスに恵まれませんでした。でも、良い写真が撮れる場所だと思うので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
6.パンケチン公園
管理事務所の西側に「パンケチン公園」があります。公園と言っても芝生の広場があるだけですが、とても広い敷地を持っています。
パンケチンの名前は、すぐ傍を流れるパンケチン川から付けられたと思います。昔は水道施設や炊事場があってバーベキューもできたようですが、私が初めて来た頃にはすでに使われていない感じでした。
しかし、十分広いですし木陰もあるので、ここで昼食を取って休憩してはいかがでしょうか。人がいなければ、ボール遊びにも適しています。
7.羊の放牧
道道133号線の南側も十勝牧場の敷地があり、ここでは羊が放牧されています。十勝では羊が少ないので、見ることができる貴重な場所です。
8.まとめ
久しぶりに十勝牧場に行ってみて、観光客が多くなったことに少し驚きました。昔は知る人ぞ知るという感じでしたが、評価されてきたのだと思います。NHKの連続テレビ小説「なつぞら」の影響があるのかもしれません(ロケでは使われていないようですが)。
牧場内は、指定された場所しか入れません。勝手に入って病原菌を持ち込んだりしたら大変ですから、ルールを守りましょう。十勝牧場には公式のサイトがあるので、事前に見ておくと良いでしょう。
また、十勝牧場には売店や食堂がありません。新鮮な牛乳やアイスクリームなども売っていません。予め用意して行くようにしてください。
十勝牧場は古い建物もあるせいか、懐かしさを感じます。開拓時代から続く歴史を感じながら、牧場を観光してみてはいかがでしょうか。