東雲湖 [北海道三大秘湖]
北海道三大秘湖の一つ「東雲湖(しののめこ)」は、然別湖の東側にある小さな湖です。昔は遊覧船を使い、近くにある桟橋で降りて行けましたが、今は桟橋がなくなり、歩いて行く以外に方法がありません。
北海道三大秘湖を選んだ基準が良く分かりませんが、東雲湖は十分行くに値する湖です。詳しく見て行きましょう。
1.東雲湖の概要
東雲湖は、然別湖の東側、天望山の北側にある湖です。湖の名前ですが「沼」の方が適切で、周囲は0.8kmほどしかありません。天望山などの噴火で堰き止められた湖と考えられますが、円形であることから爆裂火口かもしれません。
先述のとおり、遊覧船を使って行けないので、基本的には歩いて行きます。湖岸沿いの遊歩道を使って1時間30分ほどの歩きがいのあるトレッキングになります。また、白雲山と天望山の縦走路を使って登山と合わせて行くのも良いでしょう。
然別湖はカヌーの利用もできるので、旧桟橋までカヌーで行って、そこから歩けば時間がかかりません。然別湖にはネイチャーセンターがあるので、ガイドしてもらいながら行くと良いでしょう。
2.湿原に変わりつつある湖
東雲湖は水深が浅く、湖岸にはヨシの生育が顕著です。そのため、枯れたヨシが堆積して水深が浅くなってきています。私は東雲湖を何十年と見てきましたが、確かに水面の面積が小さくなった印象を受けます。しかし、今世紀で消滅するようなことはないでしょう。
3.ナキウサギの聖地
東雲湖の南側斜面は、ナキウサギの大生息地です。生息数は、鳴き声から判断すると結構多いと思われます。しかし、低い高さの草木が生い茂っているため、写真を撮るのが難しい場所です。鳴き声は頻繁に確認できますが、姿はなかなか見れないです。
私も写真を撮る場所としては効率が悪いので、違う場所でナキウサギを撮っています。
4.高山植物は?
付近は高山植物の宝庫と紹介されていますが、あまり目立つものがありません。ゴゼンタチバナやイソツツジといった広範囲で見られる花が多く、7月以降はあまり良くないでしょう。
5.湖を見る場所
東雲湖を眺めるのなら、東雲湖の標識がある広場ではなく、天望山への登山道を少し登りましょう。平成28年台風による倒木がすごいのですが、眺めるのに適した場所がいくつかあります。上の写真も、天望山側へ少し登った位置から撮っています。
せっかくですから、最初に天望山に登って、そこから下りながら景色を楽しむと良いでしょう。
東雲湖は然別湖畔温泉から奥まったところにありますが、東側に士幌町側の牧場がすぐ近くまで迫っています。そこからの道があったら、楽勝で行けるのですけれどね。また、東雲湖のさらに東側に小さな池があります。一度行ってみたいと思ってるのですが、いまだに実現していません。
ついに地理院地図に載る
昔から存在が分かっていても地図に載らなかった池が、ついに地理院地図に載りました。道はないので、見るだけになるのが残念です。
6.然別湖ネイチャーセンター
然別湖には、然別湖周辺の自然を紹介してくれるネイチャーセンターがあります。普段は山に行かない人は、ネイチャーセンターを利用すると良いでしょう。
7.身近で奥深い東雲湖に行ってみよう
東雲湖は、日高山系や石狩山地のような奥深い場所にあるわけではなく、士幌町の牧場にも近くて身近な場所にあります。しかし実際行くには時間が掛かるため、自然のままの姿を保持しています。
確かに歩く時間は少し掛かりますが、アプローチは帯広から1時間程度です。これだけ自然のままの場所が手軽に体験できる場所は少ないです。ぜひ東雲湖へ行って、然別の手つかずの自然を楽しんでみてください。