新嵐山 ~ 十勝平野の展望台
芽室町の南側で日高山脈の裾野に「新嵐山」があります。ここは昔からスキー場として親しまれていますが、ゴルフやパークゴルフ、キャンプなども楽しめる芽室町で最大の観光スポットです。
また、あまり知られてはいませんが、新嵐山には遊歩道があるのでハイキングに最適です。そこで今回は、ハイキング視点で新嵐山を紹介します。
※新嵐山荘やスキー場、キャンプ場などを運営するめむろ新嵐山スカイパークが、2023年10月10日をもって営業終了、閉館、閉業となりました。芽室町の基幹観光地であっただけに残念です。詳しくは以下を参照してください。⇒2024年度はスキー場が再開するようです。その他も順次再開されそうな感じです。
ハイキングコースだけでも整備してもらいたいですが、難しいでしょうか。十勝の数少ないハイキングコースなので、存続が望まれます。
1.新嵐山の概要
新嵐山は、日高山脈の裾野に位置する標高340mの小山です。日高山脈から伸びる支稜線の末端ですが、渋山川により日高山脈と分断されているので独立した山として目立ちます。山域は牧場として利用されています。
新と言うからには元の嵐山があるはずですが、美生川を挟んだ東側に小高い丘があり、こちらが嵐山のようです。そこは畑の中なので行くことができません。
新嵐山は複数のピークで構成されていて、展望台のある場所は山頂ではありません。山頂は、展望台から西へ向かったピークにあります。そして、稜線に沿ってハイキングコースが整備されています。これは、あまり知られていなくて、歩く人はとても少ないです。
このように、もっと利用されて良いハイキングコースです。それでは、紹介していきましょう。
2.登山口
「入口は遊具のある公園になっています⇒遊具はなくなりました」
登山口は、展望台へ向かう道路の登り口にあります。道路をそのまま登っても良いですが、左側が公園になっており、そこを進むと遊歩道が先に続いています。
「春に咲く水芭蕉」
周辺は野花の宝庫で、特に水芭蕉がきれいです。しばらく道はピウカ川沿いを進みますが、ほどなくして山へ向かいます。少し登ると、展望台へ向かう道路へ出ます。道路を渡ると、再び遊歩道が続きます。
3.展望台までの遊歩道
「小さくて分かりづらいですがエゾリスがいます」
遊歩道はスキー場の南側を進みます。ところどころに木でできた階段がありますが、登るペースが狂うこともあるので休憩を取りながら進みましょう。カシワなどの原生林の中を進むので、昔からの十勝の風景を感じます。
スキー場の斜面ですが、夏は牧場として使われています。ホルスタイン種が放牧されていますが、周囲は電気柵で囲われているので、触って感電しないように注意しましょう。
4.展望台
遊歩道を登り切ると、リフトの頂上に出ます。そして、その先に木造の展望台があります。高さは3階位の建物に相当するでしょうか。ここからの十勝平野の眺めは素晴らしいです。
十勝平野の背後には、十勝岳連峰や東大雪の山々が連なっています。また、日高山脈の主だった山々が近くに見え、剣山の鋭い稜線が特に目を引きます。
展望台には、広い駐車場があります。ここで毎年ではありませんが、仮設のカフェが設置されることがあります。良い景色を楽しみながらのコーヒーは格別でしょう。
令和元年で、展望台のトイレが仮設に変更になりました。今までは昔ながらのトイレだったので、使いやすくなりました。
5.新嵐山山頂へ
「新嵐山山頂を望む」
展望台から先の道路はゲートが閉まっているため、歩いて山頂へ向かわなくてはなりません。道路を歩くのが嫌な場合は、すぐ南側に遊歩道があるので、そちらを歩いても構いません。
しばらく下りが続き、下り切ったところで南側の遊歩道に降りて山頂へ向かいます。カラマツ林の中を進むようになると、山頂はすぐそこです。
山頂には山頂標識がありません。大きな石こそありますが、山頂らしさのない場所のため拍子が抜けます。「眺望の森」のくいがありますが、展望が良いとは言えません。
※新嵐山山頂は、雨山とも呼ばれています。新嵐山に雲が掛かると、雨になることが由来と言われています。
山頂から西へ道は続きます。ある程度下ると折り返しになり、稜線の南側を通る遊歩道に続きます。遊歩道沿いには、野花や野鳥などの案内板があるので、ぜひ活用して歩きましょう。
6.ピウカ川
登り口に流れているピウカ川ですが、芽室町市街まで続く長い川です。この細流が十勝川に直接合流するとはとても思えません。
しかも昔は、これより先の美生川から分かれた水がピウカ川として分流になっていたようです(※未確認)。川の中をよく見るとニジマスが泳いでいます。ここで釣りをするのは控えましょう。
7.南側入口にログハウスがあります
新嵐山の南側にある車道からも、遊歩道に入れます。その入口にログハウスが建っていました。なかなか立派な建物ですが最近は利用されていないようで、良く見ると痛みが目立っています。ここから新嵐山へ入る人はほとんどいないですし、いずれ壊されることでしょう、もったいないですね。
案内板には、「管理棟」と記されています。昔は活用されていたのでしょう。
※ 2022年に確認しましたが、補修されていました。まだまだ使われて行きそうですが、どういう使われ方をしているのかは分かりません。
8.新キャンプ場オープン
2020年7月に、新嵐山荘敷地内にキャンプ場が新設されました。グランピングやフリーサイト、ワンデイキャンプサイトなどが用意されて、快適なキャンプ場になりました。
予約について「前日午前中まで」と記載されているので、電話で確認しておくと良いでしょう。
新嵐山オートキャンプ場
美生川の左岸にオートキャンプ場がありました。ところが、平成28年の台風で甚大な被害を被ってしまい閉鎖されました。
9.お手軽なハイキングに新嵐山はおすすめ
札幌に住んでいれば、藻岩山や三角山、白旗山などで手軽なハイキングが楽しめます、しかし十勝に住んでいると、手軽に行ける山がありません。然別周辺は該当しますが、少し遠すぎます。
そこで、新嵐山は絶好のハイキングコースです。冬はスキー場に使われますが、それ以外の時期であれば利用できます。特に、早春や晩秋の山に行けない時期に重宝します。
また、新嵐山にある「新嵐山荘」にはお風呂があります。温泉ではないですが、汗を流すのに最適です。食事もできるので、ハイキングの後に寛ぐと良いでしょう。
いきなり夏山へ行くと、バテることも多いです。本格的な山へ行く前に、新嵐山などで足慣らしをしておくと良いでしょう。
なんと、動画もアップしました。動画編集は初心者ですが、よろしければ見てください。(※動画入れ替え中)