流氷観光砕氷船おーろら ~ 南極観測船の技術が生かされています
流氷観光の主役である流氷観光砕氷船おーろら号。氷に覆われた海を進むことができる観光用の砕氷船です。ちょっと前にガリンコ号を紹介しましたが、こちらは正統派の砕氷船です。どこが違うのでしょうか。それでは詳しく紹介します。
1.おーろら号とは
砕氷船というと、南極や北極の海氷に覆われた海を進む船を想像しますが、おーろら号は流氷の中を進む観光専用の船です。前に付いたドリルで氷を割りながら進むガリンコ号とは違い、オーソドックスな氷に乗り上げて割りながら進む砕氷船の構造をしています。
おーろら号は、規模こそ違いますが「南極観測船しらせ」の技術が反映されており、優れた砕氷能力を持ちます。また、ガリンコ号よりも2倍以上大きい船なので、客室の揺れも安定しています。船に弱い人であれば、おーろら号の方がおすすめです。
おーろら号は2隻あり、ほぼ同じ構造です。2隻のうちのオーロラ2が2021年度で引退し、1隻体制になりました。定員が450名の大型船で、1階と2階が客席、2階の上が展望デッキになっています。中は売店もあって暖房が行き渡っているので、寒さが苦手な人も快適に流氷観光を楽しめるでしょう。
2020年は、1月20日~4月3日までの運行(予定)です。料金は、大人3,500円です。
2.流氷はどこから
流氷は、網走の海が直接凍ってできるものではありません。海水は真水よりも凍りにくいため、厳冬期でも、なかなか凍りません。
流氷は、主にアムール川の真水が海に流れ、軽い真水が表層にあるために凍って氷ができます。それが海流によって流れて北海道にやってきます。
3.流氷は生き物を育みます
出典:photo AC
流氷には植物性プランクトンが多く含まれており、溶け始めると増殖します。それが、オキアミや魚、貝類(クリオネ)などのエサになります。そして、それを狙って、アザラシや大型魚、オジロワシやオオワシなどがやってきます。このように、流氷のある海は、豊かな漁場となっています。
流氷観光では、氷原を見るだけでなく、さまざまな生き物に出会えるでしょう。
4.アクセス
おーろらの乗り場は道の駅に隣接しているため、とても分かりやすく便利です。道の駅には海の幸が豊富にあり、おみやげを買うのに最適です。
飛行機で行く場合は、女満別空港を利用します。女満別空港からは網走駅までバスで移動します。網走駅からは、直通バスで乗船場まで行くことができます。
JRを利用する場合は、石北本線の特急に乗れば良いでしょう。網走駅からは、飛行機を利用した場合と同様に直通バスを利用します。
5.まとめ
令和2年1月の時点でも記録的な暖冬になっています。近年は流氷の規模が小さくなり、流氷に出逢うタイミングが難しくなりました。そのため、オフィシャルホームページでの確認をおすすめします。
北海道と言えども、海が一面氷で覆われる場所は、オホーツク海に限られます。その光景は日本とは思えないもので、貴重な体験になるでしょう。今後は見るのがたいへんになるかもしれないので、今のうちに行ってみてはいかがでしょうか。