藻岩山 [自然歩道] ~ 各登山コースを紹介します
「JSMAP2地図」地図アプリ「さっぽろ周辺マップ ライト3」で利用できます。
札幌を代表する観光拠点の一つである藻岩山は、トレッキングやトレランをする人にも身近なフィールドとして、非常に人気があります。なぜなら、藻岩山が札幌の自然歩道として整備されており、安心して歩くことができるからです。
その自然歩道には5つのコースが用意されています。それぞれのコースには魅力的な特徴がありますので、ご紹介しましょう。
1.慈啓会病院コース
慈啓会病院コースは、藻岩山の表参道にあたる定番の登山コースです。冬季も多くの場合、道が整備されており、安全に楽しむことができます。
しかしながら駐車場は狭いので、車を停められない場合があります。駐車スペースがいっぱいで近隣にも停められない時は、旭山記念公園のコースへ移動しましょう。
登山道は広くて危険な場所はありませんが、冬季でも多くの登山者が登るため、道が踏み固められてアイスバーンになることが多いです。冬季は軽アイゼンを用意すると良いでしょう。
慈啓会病院コースの道脇には、観音像が佇んでいます。これらは「西国三十三カ所巡り」となっており、山頂までに2番から33番まであるため、確認しながら登ると楽しいでしょう。ちなみに1番は、この霊場を開いた観音寺の境内にあります。
山頂直下は急登ですが、それでも山頂までは1時間ちょっとで到着できます。雪がなければ登山経験がなくても十分に登ることができますから、札幌にお住まいでしたら、ぜひ一度は登ってみることをおすすめします。
2.旭山記念公園コース
旭山記念公園コースは、登山を趣味としている人におすすめのコースです。登山口が旭山記念公園なので、駐車スペースに困りません。
コースは藻岩山登山道の中で2番目に長く、アップダウンが多いです。特に、慈啓会病院コースと合流する手前(馬の背)で大きく下ります。変化に富んだ登山道なので、飽きずに楽しめます。また、札幌市街の眺めの良いピークがいくつかあることも魅力です。
小林峠のコースと合流する辺りは、野花の種類も豊富です。時間があれば、少し小林峠コース側を歩いて野花を楽しむと良いでしょう。
3.市民スキー場コース
市民スキー場コースは、その名の通り市民スキー場の隣を通る登山コースです。一見、面白みのないコースに思えますが、歩いてみると意外に魅力的なコースです。
最初はスキー場から少し離れて、森の中を登ります。自然を十分に感じながらのスタートは意外です。しばらくするとスキー場の縁に出ます。ここは解放感がすばらしく、眺めが良いです。
藻岩山ロープウェイに到着すると、すっかり観光地になってしまい、登山の気分は失われてしまうかもしれません。ここからは、ミニケーブルカーの「もーりすカー」の横を登ります。階段になっていて少し趣がないですが、我慢して登りきれば藻岩山山頂です。
帰りはスキー場の中を下りたいところですが、スキー場を荒らさないためにも、スキー場内には入りこまないようにしましょう。
札幌藻岩山スキー場について
札幌駅から車で30分という近さにある札幌藻岩山スキー場は、仕事帰りでも滑ることができる便利なスキー場です。特徴としてスノーボードが禁止されているため、スキーに専念して滑りたい人に向いています。標高が低いため降雪に左右されますが、例年、12月中旬にオープンします。詳しくは公式ページをご覧ください。
4.小林峠コース
「エンレイソウ」
小林峠コースは、藻岩山の登山コースの中で一番に自然が豊かです。登山口が小林峠からずれた場所にあって車道脇を歩くことが危険だったのですが、小林峠にトンネルができたため車の通行は少なくなり、これからは利用者も増えそうです。
他のコースと比べ登山道脇に野花が多く、自然の豊かさを感じながら登山ができます。最終的には旭山記念公園のコースと合流します。山頂までの距離も一番長いので、トレーニングにも適しているでしょう。
5.北の沢コース
北の沢コースは、山頂までの距離が一番短いコースです。ただし、登山道入り口までの道が分かりにくいため注意が必要です。駐車スペースも広くありません。また、駐車スペース手前の道が荒れている時がありますので注意してください。以前は標識のある広場まで車で行くことができましたが、現在は脇道を通れないため行けないようです。登山口に駐車スペースはないと考えてください。
登山者も少なく静かなコースですが、慈啓会病院コースと合流すると一気に混雑しますので、静かな環境を楽しんでください。山頂まではあっという間に到達できるため、天気の良くない時に利用してみてはいかがでしょうか。
6.山頂からの眺め
「手前が砥石山で奥に烏帽子岳や神威岳などの定山渓の山が見えます」
標高が530mちょっとの藻岩山から見る札幌市街地は素晴らしいです。特に夜景は日本三大夜景にも選ばれることがあり、大勢の観光客を迎え入れています。山頂にはレストランもあるので、夜景を楽しみながらの食事も良いでしょう。またプラネタリウムもあるので、昼間でも夜空の星を楽しむことができます。
意外にも藻岩山は、山岳景観に優れた山でもあります。山頂からは、鋭い山容を持つ恵庭岳、砥石山、百松沢山、烏帽子岳、神威岳など、札幌を代表する名山を眺められます。
山頂の施設に登山者専用の休憩ルームがあるので、寒い時や天気の良くない時は利用すると良いでしょう。
7.もいわ山の日
藻岩山の標高531mにちなんで、5月31日を「もいわ山の日」として各種イベントが行われます。イベントの日程は、5月31日を含んだ数日間です。期間内は、交通機関がお得になったり、藻岩山にある各施設でイベントが行われます。
2024年は、5月30日から6月2日にイベントが予定されています。
8.藻岩山の地図/行き方
藻岩山へ登る時の地図ですが、スマートフォン用のYAMAPアプリを使うと良いでしょう。
地図だけでなく、登った時のログも取れますから一石二鳥です。
使い方は、以下の投稿を参考にしてください。
藻岩山のKML形式地図を作ってみた
kunimiyasoftのGISアプリ「JSMAP2」でも、藻岩山の地図を作ってみました。KML形式(圧縮しているのでKMZ)の地図なので、GarminのGPSで使用できます。
藻岩山の地図 ※クリックでダウンロードされます。
また、KML形式なので、Google Earthでも表示できます。また、GarminのGPSで使う場合は、以下の記事を参考にしてください。
日本周遊マップにも藻岩山の登山道を掲載しました
地図アプリケーションの「日本周遊マップ」にも、藻岩山の登山道を掲載しました。拡大・縮小が自由で現在位置も反映できることから、登山に便利です。
藻岩山を、より楽しむために
「さっぽろ自然調査館」さんの著書「自然ガイド 藻岩山・丸山」があると、より楽しめるでしょう。
9.自分の足で藻岩山を登ってみよう
藻岩山にはロープウェイや藻岩山観光道路があるため、手軽に山頂へ行くことができます。しかし、紹介したように5本も登山ルートがあり、歩いて行くことができます。
「モイワシャジン ※藻岩山以外の場所で撮影」
藻岩山は、藻岩原始林として自然が保たれており、歩くことで楽しめます。そして、モイワシャジンなど、藻岩の名前が付けられた野花もありますから、ゆっくりと観察しながら登ってみてはいかがでしょうか。
※ ヒグマ情報
近年、ヒグマの出没が目立つようになっていますが、2023年も周辺で出没情報が出ています。その出没場所が、慈啓会病院や旭山記念公園の近くの時もありますから、注意を万全にする必要があるでしょう。
登山口にはヒグマ情報が貼られていますから、指示に従いましょう。上記の札幌自然歩道のホームページでも、情報が載っています。
2023年6月20日ですが、スキー場コース登山口付近にヒグマが4~5頭出没しています。注意しましょう。