オソウシ川とは ~ 北海道には幾つもあります
北海道ではアイヌ語由来の地名で、同じ名前が複数存在することが良くあります。その中の一つ、「オソウシ」ですが、私の地元ではオソウシ温泉の脇を流れるオソウシ川だけでなく、他にも2つ、オソウシ川があります。これはどういうことなのでしょうか。
※画像がなく(一部、動画リンク)、地図による説明です。今後集めていく予定です。
1.オソウシの意味
「オソウシ」とは、アイヌ語で「川尻に滝がある」を意味します。主に、支流が本流に注ぐ部分が滝になっている場合が多く、それ以外の場合も、合流点付近に滝が存在しています。そういう地形は良くあるものなので、北海道各地にオソウシの名が付く川、もしくは滝が存在します。
それでは、北海道各地のオソウシ川を見てみましょう。
2.オソウシュ川 [鹿追町]
オソウシュ川は、後述のオソウシ川を尾根で対した位置にある然別川の支流です。そして名前のとおり、然別川との合流点が滝になっています。国土地理院の地図に滝記号はありませんが、十分に滝と言えると思います。
ここは釣りで何度か訪れており、昔から滝の存在を確認していました。滝に水量があれば立派な滝になると思うのですが、オソウシュ川の上流にオソウシュダムがあって取水されている関係で、通常は水が少ないです。
また、川に降りる必要があるため、目に付きにくい滝です。そのうち写真を撮ってこようと思います。
3.オソウシ川 [新得町]
新得町内を流れ、十勝川に合流するオソウシ川は、上流にオソウシ温泉があることで知られています。しかしながら、オソウシ川自体に滝を確認することができません。それは、現在のオソウシ川が岩松湖に流れ込むため、本来の十勝川との合流点が湖の底になってしまったから、かもしれません。
それでも、オソウシ温泉へ行く途中で、オソウシ川に流れ込む細流が滝になっているのを見ました。これがオソウシの源になっているのかもしれません。
4.オソウシ川 [広尾町]
広尾町を流れる広尾川ですが、その分流、西広尾川の支流にもオソウシ川があります。そして、西広尾川との合流点から、ほどなく上流にオソウシの滝があります。
ここは昔、水行も行われた場所で、お地蔵様も祭られています。そんな賑わった過去がありますが、今は忘れ去られてひっそりとしています。しかしながら、街からはそれほど離れていませんので、見に行ってはいかがでしょうか。
私は一時期、西広尾川に釣りに行ってましたが、オソウシの滝については全然知りませんでした。機会があれば見に行きたいです。
5.於兎牛沢川 [夕張市]
於兎牛沢川は、夕張市の名瀑「千鳥ヶ滝」の少し上流で夕張川に流れ込んでいます。そして、名前のとおり、合流点が滝になっています。こちらは今回紹介している滝では一番大きいですが、国土地理院の地図に載っていません。どういうことでしょう。
見易さでも、今回紹介した中で一番だと思われます。ぜひ、見てみてください。って私も今まで数えきれないくらい通ったのに、素通りして見ていないです。今度通るときは絶対見ます。(でも、今は行く機会がないのです)
出典:youtube
6.オソウシの滝 [標津町]
西別川の最上流部にも、オソウシの滝があります。ここは摩周湖の伏流水が噴き出る場所で、地図にも載っていません。もし、見るならウェーダーを履いて、川沿いに歩く必要があります。また、規模も小さいので、無理をして見る滝ではありません。
しかしながら、清流、西別川で釣りをしながらオソウシの滝へ行くというプランは、とても魅力的です。スプリングクリークの代表格である西別川で、一度は釣りをしてみたいです。
7.精進川の滝 [札幌市]
なんと、札幌市にもオソウシと呼ばれる地名がありました。札幌市内を流れる精進川ですが、この川に滝があります。その名前は「精進川の滝」と呼ばれていますが、昔はオソウシの滝でした。でも、精進川の川尻から離れているのに、何故オソウシの名前が付いていたのでしょう。
それは、精進川の滝のすぐ下を豊平川が流れていたからです。そのため、精進川の滝は正真正銘のオソウシの滝だったのです。昔、豊平川は付近で2つに分かれていて、東側の分流は、精進川の滝より下流の精進川を流れていました。今でも「中の島」という地名がありますが、分流によって出来た島の部分を意味しています。
出典:youtube
8.オソウシノ沢川 [平取町]
投稿後、すぐ見つかったオソウシです。平取町の額平川支流にオソウシノ沢川があり、滝がありました。ここは林道もないので、もし見るとなると入林許可と川沿いの歩きが必要でしょう。難易度が高いです。
9.川の合流点が滝になっている場所は多い
(岩内仙峡の日暮しの滝も、典型的なオソウシです)
支流が本流に合流する地点において、支流側が滝になっていることは多いです。私も日高山脈を流れる川で幾つか確認していますし、層雲峡のあたりは柱状節理の上から落ちる川が多くあります。このようにオソウシに該当する川は多くあります。
今回調べたものは地域に偏りが出てしまいましたが、今後分かり次第、追記していきたいと思います。
ちなみに、「オソルシ」という地名も良くありますが、こちらは「豊かな食料をもたらせてくれる大切な場所」だそうです。こういった地名を調べた記事を作っていくのも楽しそうですね。それでは。