無意根山 ~ 札幌市での登山の集大成
無意根山(1,464m)は、札幌市の最高峰こそ余市岳(1,488m)に譲りますが、登山対象の山としては盟主と言って良いほどの威厳のある姿をしています。そのゆったりとした大きな山容は、遠くから見るととても目立ちます。私は、砥石山から見る無意根山の姿が大好きでした(※上の写真)。
そんな無意根山の登山コースをご紹介します。
1.薄別コース
薄別コースは、定山渓温泉から中山峠方面へ進み、薄別川の支流、小川から登る無意根山のメインルートです。
登山口は宝来小屋脇から始まりますが、下流側にある第二ゲートから歩かなければなりません。ゲート付近には十分な広さの駐車場があります。でも林道歩きは苦痛です。私が札幌にいた時は、国道230号線から登る必要がありました。そのため、林道歩きが苦痛になるので、元山コースの方が人気がありました。
宝来小屋からしばらく歩くと、湿原が現れます。湿原は大蛇ケ原湿原と呼ばれていますが、乾燥化が進んでいます。ここで散策したいところですが、まだまだ先は長いので進みましょう。
大蛇ケ原湿原が終わりになると、立派な山小屋があります。ここは無意根尻小屋で、週末に管理人もいる時がある北海道では数少ない山小屋です。無意根尻小屋は北海道大学が管理していますので、利用したい場合は問い合わせしてください。
※2024年11月2日夜に火災が発生し、全焼してしまいました。宿泊者23名は避難して無事下山したようです。再建はあるのでしょうか。
無意根尻小屋から先には、無意根山登山最大の急登が待ち構えています。ここも崩落で登山道が使えない時期がありました。その後、登山道のルートが変更になり、ハシゴも用意されて登りやすくなりました。それでも、十分に注意して登りましょう。
急な登りが終わってしばらくすると元山コースと合流します。そして、南に進路を変えてしばらくすると、無意根山最高点の標識があります。下には祠もあります。しかし、ここが終点ではなく、さらに先の三角点が終点です。
無意根山三角点からの眺望は素晴らしいです。特に羊蹄山の姿は、どこから望むのよりも素晴らしいと思います。そして、360度の大眺望です。羊蹄山を除けば、道央以南で最も高いエリア(※)となるので、主たる山が一望できます。
※他に狩場山(1,520m)がありました。
南側に中岳の特徴ある姿を望めますが、中岳への登山道はほぼ廃道化しています。中岳から尻別岳を見てみたかったですね。
登山データ
登山時間:登り3時間30分
標高差:800m
2.元山コース
元山コースですが、昔はメインルートとして利用されていました。登山口の元山地区には昔、豊羽鉱山があり、多くの人が住んでいました。そして登山口には無意根山荘があり、近くにバス停もあってアクセスが便利でした。
しかし、豊羽鉱山が2006年に閉山になり、無意根山荘がなくなり、薄別コースよりもアプローチが不便になったことにより利用者が少なくなりました。とは言え、薄別コースにはない西方や北方の眺めの良さがありますから、元山コースも歩いて欲しいです。
元山コースから見える無意根山は西側になり、薄別コースとは反対側です。しかし、印象はどちらも同じなのが無意根山の特徴でしょうか。
登山道からは、定山渓天狗岳の特徴のある山容が望めます。
そして、元山コース最大の見どころは、西側にある大沼、小沼です。昔、大沼ではイワナ釣りが話題になりました。場所が山奥だけに、冬季の固雪の時期限定で釣りが行われていた記憶があります。一度荒れてしまった後は話題がなくなりましたが、今はどうなのでしょう。
薄別コースと合流した後は、同様に山頂へ向かいます。
登山データ
登山時間:登り3時間20分
標高差:860m
3.日本周遊マップでルート表示ができる
地図アプリケーション「日本周遊マップ」で、無意根山の登山道を表示できます。
OpenStreetMapに表示されている登山道は旧道のままですね。紫ルートが現在のルートです。
4.札幌市に住む登山初心者は無意根山を目指そう!
札幌市に住んでいて登山を始めようと思い立ったら、丸山から始めて、三角山、藻岩山、砥石山、手稲山とステップアップします。そして、札幌岳や空沼岳へ登ったあと、無意根山で締めると良いでしょう。無意根山が登れたら、登山の趣味も足に付いてきたと言えます。
無意根山を登った後は、あまり登山者がいない山や、標高差が1,000mを越えるような山へチャレンジして行くと良いでしょう。