北海道でコマクサ(駒草)を見るなら ~ 代表的な場所をご紹介!
高山植物の女王、コマクサ。山に登った時に見たい高山植物のトップと言っても過言ではありません。
コマクサの花言葉は、「高嶺の花」「 気高さ」「 貴重品」です。確かに、コマクサは簡単に見ることができる高山植物ではありません。
そんなコマクサが咲く山が、北海道にもあります。その代表的な山をご紹介します。
1.大雪山 駒草平
北海道でコマクサを見る場所として、真っ先に挙げるとしたら「駒草平」です。銀泉台から赤岳へ向かう途中にある駒草平は、一面にコマクサが咲く名所です。一時期、盗掘によって減少してしまいましたが、手厚い保護により復活しました。
赤岳登山は、高度こそ2,000m級ですが、銀泉台で1,500mの標高があるおかげで初級レベルの登山で済みます。ぜひ、華麗なコマクサを堪能してください。
2.北大雪 平山
コマクサは、大雪山国立公園全体に分布しています。そのため、旭岳や黒岳、赤岳のある表大雪地域だけでなく、それ以外の大雪山の地域にもコマクサの名所があります。まずは、北大雪エリアの平山がおすすめです。
平山へのアプローチは札幌からだと大変ですが、高速道路をうまく使えば意外と早く着くことができます。そして稜線に出ると、コマクサがいっぱい咲いています。特に、平山から比麻良山への縦走路にコマクサがほんと多いです。他の高山植物も多いので、ぜひ登山してみてください。
3.東大雪 石狩岳
あまりイメージはありませんが、東大雪エリアもコマクサが咲きます。中でも石狩岳周辺が一番多く咲きますが、さらに南側のニペソツ山やウペペサンケ山、東丸山などでも咲いており、なんと然別の東ヌプカウシヌプリにまで分布しています。(東ヌプカウシヌプリのコマクサは登山道からは確認できません)
そして石狩岳ですが、ユニ石狩岳付近からコマクサが咲いていますが、一番多いのは石狩川源頭部と言われています。そこは沢登りをした者だけが楽しめる秘境ですが、通常の縦走路でも十分楽しめます。他の高山植物も豊富ですから、ぜひ登ってみてください。
4.日高山脈 ペンケヌーシ岳
標高2,000m前後の山々が連なる日高山脈ですが、意外とコマクサの咲く場所がありません。例えば、主峰である幌尻岳にもその姿はないのですが、北部のペンケヌーシ岳にのみコマクサが咲きます。
ペンケヌーシ岳には一般登山道があり(※)、上部にある砂礫地にコマクサが咲きます。コマクサは環境の厳しい砂礫地に良く咲くので、日高山脈ではペンケヌーシ岳のみが条件と合うのでしょう。
※2016年台風の水害により登山口までの林道が復旧しておらず、登山が困難な状態です。
5.阿寒 阿寒富士
火山活動が活発な阿寒でもコマクサの姿があります。その主な場所ですが、雌阿寒岳から阿寒富士にかけてコマクサが咲きます。私が登った頃、コマクサは阿寒富士の周辺に限られていた記憶があるのですが、今は雌阿寒岳にも多く咲いているようです。
雌阿寒岳は火山活動が活発ですから、十分に注意して登山してください。
6.知床連山
知床にもコマクサがあります。羅臼岳から硫黄岳へ向かう縦走路でコマクサの姿を見ることができるでしょう。しかしながら、コマクサを見るだけなら知床まで足を延ばす必要はありません。主役は、シレトコスミレなどの固有種になるでしょう。
7.花の写真を撮るなら
コマクサを写真に撮るなら、ぜひ良いカメラを使いたいです。ソニーのα7CIIは、35㎜フルサイズのセンサーを搭載しながら、コンパクトな筐体です。登山には持ってこいのカメラでしょう。
また、レンズは、近くまで寄れるマクロレンズがおすすめです。
登山路からコマクサが少し離れている場合、望遠寄りのレンズが良いでしょう。
8.絶対、移植してはいけません!
ここまでコマクサの名所をご紹介してきましたが、実はずっと簡単に見ることができる場所があります。例えば道央にある火山ですが、他から持ち込まれたコマクサが根付いています。定期的に駆除もされているようですが、もう、完全駆除は不可能なようです。
人間が入る以上、生態系への影響は必ずあると思います。しかし、悪意を持って移植するのは、あまりにもひどいです。そこまでしてコマクサを見たいのでしょうか。そういうことはやめてください。
コマクサは、自然にあるからこそ美しく見ることができます。ぜひ、今回の紹介した場所へ行き、コマクサを堪能してください。