ひがし大雪自然館 ~ 旧ひがし大雪博物館もご紹介!
「ひがし大雪自然館」は、上士幌町ぬかびら源泉郷にある、環境省直轄のビジターセンターです。比較的新しい施設ですが、今や東大雪エリアを紹介する拠点として、なくてはならない存在となっています。
そして、その前身として「ひがし大雪博物館」という東大雪を紹介する施設がありました。
観光で賑わいを見せる表大雪に比べて、東大雪は奥深くて、観光地はこじんまりしています。しかし、自然の魅力は表大雪に負けないほどです。ぜひ、ひがし大雪自然館で、その魅力を感じて欲しいと思います。
それでは、詳しく紹介しましょう。
1.ひがし大雪自然館の概要
ひがし大雪博物館は、上士幌町から層雲峡方面へ国道273号線を進み、ぬかびら源泉郷の入り口にあるビジターセンターです。出来たのは2013年で、東大雪の盟主ニペソツ山の標高と同じです。
他のビジターセンターと同様に、自然や歴史、文化、リアルタイム情報などを発信していますが、 動物のはく製や、昆虫チョウ類などの標本が異様に充実しているなど、他にはない特色を持っています。
それは、前身としてひがし大雪博物館があり、そこにあった展示物が移転されているからです。これらは、次で紹介します。
東大雪は、広大な面積があるにも関わらず人が住む場所が少なくて、一般的には知られていない地域でした。しかし、ひがし大雪自然館が出来たことによって、身近な存在となりつつあります。
また、近くにあるひがし大雪自然ガイドセンターさんによる自然ガイドも行われており、一般の人でも東大雪を気軽に楽しめるようになりました。
2.ひがし大雪博物館
ぬかびら源泉郷の街中を通る国道273号から湖側へ進んだ先に、鉄筋コンクリートの比較的大きな建物がありました。ぬかびら源泉郷には不釣り合いなその施設は、「ひがし大雪博物館」と言いました。でも、私が知っている限りでは、あまり人が訪れることがなく、中に入っても入館者はわずかでした。
それでも、私にとってはすごく魅力的な施設でした。東大雪の自然が詳しく紹介されていたのです。
まず、動物のはく製が、数多く展示されていました。特に、ほ乳類や鳥類の展示が多くありました。ひがし大雪自然館に展示されているヒグマとエゾシカも、上の写真のものを移転したのかもしれません(そのままの形で移転はされていません。これでは今は問題になりそう)。
東大雪の山々を紹介するジオラマもありました。今のひがし大雪自然館にもジオラマがあって、移転したものかと思っていましたが、良く見ると違うように見えます。
個人的に興味を持ったのが、東大雪にある温泉の紹介ですね。東大雪にある温泉(未活用も含む)が、詳しく紹介されていました。上の写真でも、ぬかびら源泉郷や幌加温泉、岩間温泉の温泉の仕組みが解説されています。
その他、蝶を中心とした標本が、ひがし大雪自然館よりも充実して展示されていました。
このように、ひがし大雪博物館は、魅力的な施設でした。場所がぬかびら源泉郷ではなくて上士幌市街にあれば、存続できたのではと思います。
3.ウペペサンケ山の登山ベース
東大雪の名峰、ウペペサンケ山に登る時のベースとして、ひがし大雪自然館の駐車場東側が便利です。ここには公衆トイレがあり、登山前の立ち寄りに便利です。ここで、登山の準備を済ませると良いでしょう。
また、ウペペサンケ山登山口までの林道が完全には治っておらず(2021年1月現在)、ウペペサンケ山の往復には時間が掛かります。そのため、前日にひがし大雪自然館の駐車場に移動しておいて、車中泊も良いでしょう。(ここでは落ち着かない人は、近くのキャンプ場を利用しましょう。)
ウペペサンケ山にある登山道は、菅野温泉側が廃道化しており、ぬかびら源泉郷側だけが使える状態です。その糠平コースも余分な林道歩行があるため、上級者向けになっています。
ウペペサンケ山は頂上稜線がとても長く、三角点のある糠平富士から本峰まで40分、西峰(昔の山頂)まではさらに15分位かかります。これら三峰はほぼ同じ高さで楽勝に感じますが、実はアップダウンが多くて体力を消費します。稜線が細いところは、残雪のある時は危険なので注意しましょう。
4.東大雪の魅力に触れてみよう!
表大雪に旭岳ビジターセンター、層雲峡ビジターセンターがある中で、東大雪にもビジターセンターをという声がありました。それが、ひがし大雪自然館として形になったことは喜ばしいことだと思います。
でも、ひがし大雪自然館を見ただけで終わりでは勿体ないです。東大雪の魅力的な場所に行ってみましょう。ぬかびら源泉郷に限っても、タウシュベツ橋やキャンプ場、スキー場があって、いろいろ楽しめます。もちろん、糠平湖の釣りも楽しく、昔と比べてほんと良く釣れるようになりました。※1
個人的には、旧国鉄士幌線跡の遊歩道、「東大雪の道」をいずれ紹介しようと思います。みなさんも、ぜひ東大雪に行って、その魅力を楽しんでください。
※1 糠平湖の魚種
糠平湖に生息する魚は、ニジマス、ブラウントラウト、サクラマス(ヤマメ)、アメマス、オショロコマ、ワカサギ、ウグイなどです。
1980年頃の糠平湖は、ほんとうに釣れない湖でした。それがサクラマスがボツボツと釣れるようになり、今ではサクラマスが良く釣れる湖に変身しました。そして、さらに増えたのがアメマスです。昔はほとんど釣れなかったアメマスが、とても釣れるようになりました。これは、オショロコマが優勢だったものが温暖化でアメマスが優勢になったのだと思います。
また、元小屋ダムで良く釣れるブラウントラウトは、最近の糠平湖では釣れた話を聞きません(また釣れるようになってきたみたい)。ニジマスも、インレット付近では釣れても、湖本体ではあまり釣れないようです。
糠平湖での釣りは、有料です。遊漁券は、温泉街の土産物屋で購入できます。それから、湖に流入する河川でのヤマメ釣りは禁止です。注意してください。
※2024年から糠平湖における漁業権がなくなり、新たに協力金という形になりました。詳しくは以下の記事で。