函館本線 長万部駅~小樽駅間の廃止が決まる

2022年2月9日

羊蹄山とH100形
H100形

北海道新幹線の工事が進行しています。2030年度に完成予定ですが、北海道新幹線札幌市まで開通すれば、並行する在来線は第三セクターなどで運営するか、廃止しなければなりません。

函館本線では、小樽駅から函館駅までが平行在来線区間に該当します。そして、長万部駅から余市駅間までをバス転換することが、2022年2月3日の関係市町村が集まった会議で決まりました。

※2022年3月27日に行われた並行在来線対策協議会で、小樽駅~余市駅間もバス転換されることが決まり、長万部駅から小樽駅までの山線は廃止されることが決まりました。

そこで、小樽駅から長万部駅までの区間について、地図アプリケーション「さっぽろ周辺マップ ライト2」の地図を使って見てみましょう。「測量法に基づく国土地理院長承認(使用)R 2JHs 27」

函館本線路線1

小樽駅から余市駅間は人口の多いエリアで、まだ廃止が決定していません。小樽市の方はバス転換やむなしと考えているようですが、余市町第三セクターで存続を要望しています。小樽駅から余市駅間も廃止されることが決まりました。

沿線エリアの人口が多いので存続もありではと思いますが、後志自動車道余市町まで開通したことと、鉄道が非電化区間であることから、将来的には厳しいのでしょう。

個人的には、塩谷丸山が近くにある塩谷駅が存続して欲しかったです。札幌から車で下道を行くと、札幌市街地や小樽市街地を抜けるのに時間が掛かるのです。それが鉄道なら、幾分と楽です。

余市町から先は、余市川沿いに線路が続きます。りんごなどの果実が採れることで有名な仁木町もあります。国道5号線が並走しますが、山道で走りづらいところです。雪も多いことから鉄道の維持も大変でしょう。

函館本線路線2

山を一度越えても、再び山を越えなければなりません。岩内町は大きな町ですが、函館本線からは少し離れています。ワイス温泉はいい温泉です。

函館本線路線3

倶知安町は大きな町で、新幹線の駅もできます。周辺は高架化されて、駅前は発展しそうです。アフターコロナで観光需要が少し危ぶまれますが、国内客だけでも多くの人がやってきそうです。

しかし、比羅夫駅はなくなります。ここから羊蹄山への登山道が近くて便利なのですが、廃止されると鉄道利用の登山が難しくなります。

また、ニセコ駅もなくなります。坂を下りた先にあるニセコ駅周辺の雰囲気が好きですが、それも変わってしまうかもしれません。

函館本線路線4

函館本線は、米どころの蘭越町を通ります。そして、再び山越えになります。やはり、上り下りが多すぎるのが問題ですね。

山を越えて黒松内町に入った後、再び長万部町へ山越えします。ブナの北限である「歌才ブナ林」の紅葉は、とても美しいです。

函館本線は、長万部駅室蘭本線と合流します。室蘭本線は海岸線を通りますから、ほぼ平坦な道を進みます。これでは、札幌へ室蘭本線経由になるのも仕方ありません。

新幹線の開業がなければ、長万部駅余市駅駅間の廃止はなかったと思います。それは、路線沿いには北海道を代表する観光地が目白押しで、今も平時便だけでなく、観光列車が走るからです。

北海道新幹線札幌延伸が必要不可欠なのも分かりますが、小樽市から長万部町の間に駅が一つだけになってしまうのは、不便な面もあります。

遠方からの需要だけでなく、近辺の需要についても十分に考えて欲しいですね。

OpenStreetMapには、北海道新幹線札幌延伸コースが載っています。地図アプリケーション「日本周遊マップ」で確認してみてください。