Raspberry Pi 5 登場!

2023年11月12日

出典:Wikimedia Commons

ついにRaspberry Pi 5が発表、発売されました。日本においては技術基準適合証明の取得を待たなければなりませんが、ついに新しいRaspberry Piが手に入ります。今回はModel Bの表記が見当たりませんが、Model Aは出てこないのでしょうか。

それでは、見てみましょう。

※2024年2月中旬、ついに日本でも発売が開始されました。メモリ8GBタイプだと1.5万円前後で、ケースや冷却ファンを購入すると2万円ほどでしょうか。お買い得感は微妙です。

1.スペックはどのくらい上がった?

機種 Raspberry Pi 5 Raspberry Pi 4 Model B
CPU 2.4GHz 4コア Arm Cortex-A76 1.5GHz 4コア Arm Cortex-A72
GPU VideoCore VII 800MHz VideoCore VI 500MHz
メモリ 4/8GB 1/2/4/8GB
PCIe シ ングルレーン PCI Express 2.0
M.2 NVMe SSD を使うにはM.2 HAT要
なし
カメラ/ディスプレイポート 2 × 4レーンMIPI カメラ/ディスプレイポート 1 × 2レーンMIPIカメラポート、1 × 2レーンMIPIディスプレイポート

当然ですが、CPUなどの処理性能に影響するスペックは向上しています。私が計測したわけではないですが、いろいろな記事を読んだ限りでは、従来のRaspberry Pi 4 Model Bよりも2~3倍程度早くなったようです。Raspberry Pi 4 Model BではWebブラウザの動作が少し遅い不満がありましたが、Raspberry Pi 5で動作が早くなっていれば、パソコンとしての用途にも使えそうです。

私が一番興味を持った機能は、PCIeが搭載されたことです。これによりM2.SSDが使えるようになります。今までもUSBに接続するSATA SSDを使う例はありましたが、M2.SSDの方がコンパクトに収められます。こうしてSSDを使えば、本当にパソコンの代用として使えそうです。

このようにスペックが上がったのは嬉しいことですが、いよいよ冷却ファンが付いていないと熱暴走してしまう状況になるのではないでしょうか。私のRaspberry Pi 4 Model B放熱器でしのぎましたが、Raspberry Pi 5 では、冷却ファンが必須かもしれません。そういう経緯からか、ボードにはファン給電コネクタが用意されており、冷却ファンの制御も可能になっています。

プログラム的にはRTCが搭載されたことにより、 時計機能を単体で保持できることが目立った点です。いつもは、インターネットから時刻を取得しているので、RTCがないことに気が付きませんでした。

なお、ボードにパワーボタンが付きました。でも、ケースに入れる場合が多いですから、あまり意味がない気もします。

2.ACアダプタの仕様は?

電源として用意するACアダプタの推奨が、5V/5Aとなりました。このようなACアダプタは、現状では少ないようです。また、5V3Aが最低条件となるため、購入が必要となる人も多いでしょう。

私は、当分は5V3Aで使うつもりです。

3.価格は?

Raspberry Pi 5 Model Bの価格は、4GB版が60ドル8GB版が80ドル程度となるそうです。本来なら学習用として十分な低価格でしょう。しかしながら、円安が進み過ぎた日本では、格安なパソコンとは言えなくなってしまいました。もし4GB版を購入したとしても、ケースを付けたりSDカードやSSDなどを用意すれば、1万円を優に超えてしまいます。

Raspberry Pi 5 は、パソコンとしては許容範囲ギリギリの動作速度ですし、電子工作用としてはハイスぺック過ぎます。私が考えるに、本体6~7,000円くらいが適正価格だと思います(4GB版)。

4.私のRaspberry Pi 5の使い道

私がRaspberry Pi 5 (Raspberry Pi 4 Model B)を使う用途は、以下のような時です。

Raspberry Pi Zero用プログラムの開発機

電子工作には、Raspberry Pi Zeroの性能で十分です。しかしながら、Raspberry Pi Zero上でのプログラム開発処理速度が低くてストレスが溜まるので、Raspberry Pi 4 Model B上で開発してRaspberry Pi Zeroへ持っていくやり方をしています。これがRaspberry Pi 5であれば、さらに快適になるでしょう。

特に私の場合、Raspberry Pi Zeroでもフォームアプリケーションを良く使うので、Qt Creatorをストレスなく使用したいです。それはWindows上でも開発できますが、同じRaspberry Piであれば、直接動作確認もできてしまうので、Raspberry Pi 5が重宝しそうです。

大容量ファイルのダウンロード

たまに大容量のファイルをダウンロードしなければならない場合があります。それがプログラム系であれば、タブレットではなくて、パソコンから行いたいです。しかしながら、パソコンダウンロードのためだけに動作させておくのは、電気代等がもったいないです(せこいかな)。

そこで、冷却ファンがないRaspberry Pi 4 Model Bであれば、気兼ねなくダウンロードに使えます。恐らくファイルのダウンロードだけで使うのであれば、Raspberry Pi 5でも使えるのではと考えています。

5.なんだかんだで買います

出典:TrustedReviews 冷却必須でしょうか

今回のRaspberry Pi 5の総評では、スペックが期待したほどではないというのを目にします。しかし、私は性能には不満がありません。不満なのは価格ですね。Raspberry Piの生まれた経緯を考えれば、日本においては6,000円程度が適当かなと思います。そうすれば、日本の家庭での低いパソコン普及率を向上させられると思うのです。

もちろん、販売者様に負担してもらうのは酷なので、こういう時こそ政府が補助金を出すべきなのではと思いますね。こういう未来へ向けての投資なら納得できるのですが。

※購入を予定しておりますが、ちょっと先になりそうです。また、SONY製の国産Raspberry Pi 5が出るというニュースも見ました。これは期待ですね。