Raspberry PiでArduino IDEを動かしてみた
普段、Arduino IDEはWindows上で動作させていますが、M5StickCのENV Hat III 用プログラムが動作しなくなり、Hatが壊れたとは思えないので(でも、BME280センサーのプログラムは動作する)、Arduino IDEをRaspberry Pi 4 Model B上でも動作させてプログラムの検証をすることにしました。
※Arduino IDEをアップグレードしておかしくなりました。修正方法が出ていますが、根本的な修正ではないです。
1.Arduino IDEのインストール
Raspberry Pi 4 Model B(以降、Raspberry Pi 4)でChromiumブラウザを立ち上げ、Arduino IDEの公式サイトを開きます。
最新バージョンは2.0.0ですが、Linux版を見ても64ビット版しかありません。Raspberry Pi 4にインストールしているRaspberry Pi OSは32ビット版なので使えません。そこで、旧バージョンのArduino IDEをダウンロードします。
画面をスクロールすると、前バージョンが表示されます。Raspberry Pi用のインストールパッケージは「Linux Arm 32Bits」です。これをダウンロードしましょう。
Downloadsフォルダにインストールパッケージがあります。これをダブルクリックして起動します。
解凍アプリが起動するので、ツールバーの解凍アイコンをクリックし、ポップアップしたウインドウで解凍先を指定して展開します。
解凍先がデフォルトで「/tmp」になっていますが、これでは次回起動した時に消えてしまうようなので、他の任意のフォルダ位置を指定してください。
解凍先のフォルダを開くと、「install.sh」というシェルスクリプトファイルがあります。これをダブルクリックして実行します。すると、Arduino IDEのインストールが行われます。
デスクトップにArduino IDEのアイコンが表示されます。これをダブルクリックすると
Arduino IDEが立ち上がりました。
2.M5StickC用の設定
Arduino IDEでは、M5StickCをターゲットとします。
M5StickCライブラリを設定
まず、M5StickCのライブラリをArduino IDEに設定します。メニューの「ツール」「ライブラリを管理」を選択します。
検索窓に「M5」と入力して検索すると、M5Stack関連のライブラリが表示されます。スクロールして、M5StickCのライブラリを選択してインストールします。
すると、M5StickCライブラリで必要な関連ライブラリが表示されます。そこで、「Install All」を選択して必要なものを全てインストールしてください。
ボードの設定
次にボードの設定を行います。しかし、初期状態では、ボードにM5StickCを選択できません。そこでまず、メニューで「ファイル」「環境設定」を選択し、表示されたダイアログで、ボードマネージャのURLを指定します。URLは
https://dl.espressif.com/dl/package_esp32_index.json
です。入力したら「OK」を押して終了します。
メニューの「ツール」「ボード 'Arduino Uno’」「ESP32 Arduino」「M5Stick-C」を選択してください。
その他、「ツール」にある項目を変更してください。シリアルポートはUSBに接続したデバイスとして設定し、通信速度は115,200が無難と聞いています。
サンプルプログラムを動かしてみる
それでは、ENV Hat III用のサンプルプログラムを動かしてみます。動くでしょうか。
動きました!。これで、ENV Hat IIIは壊れていないことが分かりました。つまり、WindowsのArduino IDEの環境がおかしくなっています。早急に修正しようと思います。
3.Raspberry PiでArduino IDEは問題なく動作します
Raspberry Pi でArduino IDEを使ってみましたが、Windows版よりもむしろ早く操作できました。逆に、Windows版のArduino IDEがバージョンアップを重ねたせいで、ライブラリに不整合が発生しているようです。一度削除して、クリーンインストールしようと思います。
Raspberry Pi版のArduino IDEは、実用的でした。屋外でM5Stack系のプログラムを動かす時など、活躍の場がありそうです。