大雪山のキャンプ場を地図でご紹介!
大雪山をキャンプしながら観光したい方も多いと思いますが、とにかく広い大雪山。どのキャンプ場を選べば良いのか迷ってしまいます。そこで、大雪山にあるキャンプ場やキャンプ指定地を、今までの経験を交えて紹介します。
※大雪山国立公園は、旭岳や黒岳、白雲岳がある表大雪と、十勝岳連峰、東大雪、北大雪と広範囲に及びます。今回は、表大雪に絞って紹介します。
1.万人向けのキャンプ場
誰でも安心してキャンプできるキャンプ場を紹介します。
層雲峡オートキャンプ場
層雲峡オートキャンプ場は、大雪山では最も設備の整ったキャンプ場です。とにかくコテージとバンガローが充実していて、テントを張るのはちょっとという人でも、安心してキャンプを楽しめます。対して、本命のオートキャンプ区画は11台分しかなく、電源もないので、フリーテントサイトと大して変わらないかも。
フリーテントサイトは広く、車を隣接できる場所から埋まっていきます。でも静けさを求めるなら、駐車場から離れた場所が良いかも?人が多めなので、静けさはあまり期待できません。
シャワーも用意されていますが、層雲峡温泉で入浴(黒岳の湯)の方が良いでしょう。ただし、層雲峡温泉まで車で10分掛かります。少し層雲峡温泉から遠いのがネックです。
旭岳青少年野営場
旭岳青少年野営場は、旭岳温泉にあるキャンプ場です。付近には温泉施設やロープウェイ、ビジターセンターなどがありますが、キャンプ場に入ると、森の中の快適なキャンプスペースが広がっています。野営場の名前が付いていますが、十分整えられたキャンプ場です。
旭岳青少年野営場には、AからEまでの5つのサイトが用意されています。車の乗り入れはできないのでリヤカーを利用しますが、奥の方まで行くには少し大変です。
とにかく雰囲気が最高です。森の中に身を置いている感じが心地良いです。
歩いて旭岳温泉の日帰り入浴ができるので、本当に便利。また、今はできるか分かりませんが、テント張ったまま旭岳に登山して、帰りに撤収させてもらえました。さらに、天人峡方面へ遊歩道があるので、そちらの探索も楽しそうです(※廃道になったようです)。
2.キャンプ通向けのキャンプ場
キャンプ初心者にはちょっと厳しいキャンプ場を紹介します。
層雲峡野営場
層雲峡野営場は、層雲峡温泉街に隣接する野営場です。温泉街がすぐ近くの絶好の場所にありますが、名前の通り、野営場そのものです。炊事場とトイレこそありますが、後は何もありません。薄暗くて背後が崖なので落ち着きません。
しかも、駐車場から坂を登った位置にあり、荷物を運ぶのが大変です。さらに、駐車場に停めた車の車上荒らしが怖くて、ゆっくり眠ることもできません。ここは、公共交通機関を利用した登山者が、前乗りで泊まるためのキャンプ場です。
かなり上級者でないと寂しすぎて泊まれないと思います。層雲峡温泉街に近いのは最高なんですけれどね。
3.登山者向けのキャンプ指定地
登山者向けのキャンプ指定地を紹介します。
黒岳石室
黒岳石室は、黒岳山頂から西へ向かった先にある山小屋(避難小屋)です。夏期は管理人が常駐する北海道では貴重な山小屋の一つで、キャンプサイトも併設されています。
2,000m近くの標高にあるキャンプサイトですが、ロープウェイとリフトを利用するとテント登山初心者でも来れることから、混雑しがちです。そのため、あくまでも登山工程での一泊と考え、寝ることに専念した方が良いでしょう。もちろん、周辺は高山植物が多いですし、景観も素晴らしいです。
ひとつ注文が。トイレはきれいに使いましょう。バイオトイレがありますが、オーバーユースのため、使うのに躊躇する時が良くありました。
白雲岳避難小屋
白雲岳避難小屋は、登山口から3,4時間ほど掛かる場所にありますが、赤岳や大雪高原温泉、旭岳や黒岳方面から登山者が集まる場所なので、混雑しがちです。こちらも、キャンプサイトが併設されていますが、あまり広くありません。
白雲岳避難小屋も、夏期に管理人が常駐する山小屋で、混雑することが多いです。キャンプサイトも混むので、あまり場所を占有しないように気を付けましょう。私は過去に、ほんとひどい登山者グループに遭遇しました。マナーは守りましょう!。
8月に入ると、白雲岳避難小屋周辺にクモイリンドウが咲きます。ここだけの固有種なので、ぜひ見ておきましょう。また、夏なのにエゾノリュウキンカが咲いているのも、見所です。
裏旭キャンプ指定地
裏旭キャンプ指定地は、近年、人気のあるキャンプ指定地になってきました。しかし、避難小屋があるわけでもなく、トイレもありません(携帯トイレブースは要確認)。
縦走するのには便利な場所ですが、できればキャンプする場所から外した方が良いと思います。
忠別岳避難小屋
忠別岳避難小屋は、忠別岳をさらに南下した場所にあります。とにかく登山口から遠く、大雪高原温泉から行く場合は、白雲岳避難小屋へ行ってから高根ケ原を南下するという長距離ルートになります(三笠新道は、夏の初めだけしか通れない)。
私も沼の原から行こうと思いましたが、五色岳から先を進んだ時点で止めました。人里から離れていますから、万全の体制で行かないと大事に至ります。
しかし、周囲は高山植物で囲まれ、天国のような場所です。避難小屋があるのが心強いです。ここは避難小屋が空いていたら、テントを使わずに小屋を利用する方が良さそうです。
4.車中泊するなら
キャンプ場のある場所が、目的地から離れていると感じる人も多いと思います。ここは、マナーを絶対に守る必要がありますが、車中泊ができる場所を紹介します。
層雲峡無料駐車場
層雲峡温泉入口から右へ進むと、層雲峡無料駐車場があります。ここは、2階建ての大きな駐車場です。特に2階部分は、キャンピングカーなどの車中泊の車で溢れています。また1階部分も、夏休みや紅葉の時期は混雑します。
そのため、混んでいる場合は、車中泊をしない方が良いでしょう。比較的空いている場合でも、夜間に到着して、朝早く出るように迷惑を掛けない配慮が必要です。
大雪山道路情報センター
大雪山道路情報センターは、赤岳へ行く登山線の近くにあるため、車中泊場所として絶好の位置にあります。しかし、ここもドライバーの休憩地点ですから、混んでいる場合は控えましょう。
三国峠までの区間に、大きなパーキングがいくつかありますが、トイレはないのでトイレを用意したキャンピングカーでないと難しいでしょう。
5.遥かなる大地でのキャンプを楽しもう!
ここまで大雪山のキャンプ場を紹介してきましたが、意外とキャンプできる場所が少ないことに気付かれたのではないでしょうか。個人的には大雪レイクサイトがキャンプ場として整備されて欲しいですが、夜間のキャンプが禁止されています。紅葉の時期には駐車場になることも難しい理由なのでしょう。
大雪山でキャンプすると、自然の雄大さを感じます。2,000mを超える山々の懐でキャンプすることは、平地のキャンプ場にはない大地の威厳を感じます。天気の移り変わりも早くて、自然の本来の厳しさを再度感じさせられるでしょう。
ぜひ、大雪山のキャンプ場へ行って、自然の偉大さを感じ取ってください。