単独登山でステップアップに最適な山をご紹介 ~ 3,000m峰を目指そう

2020年3月29日

私は長らく登山を趣味として来ましたが、最初は誰に教わるわけではなく、独学で登山のステップアップを行いました。

まずは低い山からスタートし、次に中級山岳を目指し、最終的には3,000m峰を越える山に登りました。その期間は2年ほどであり、単独でも登山を習得することが可能だと思います。

そこで今回は、登山スキルの確認に最適な山を紹介します。モデルは東京在住とします。紹介した山に登れれば、スキルを習得した目安になり、次へ挑戦できるでしょう。

あくまでも個人的な判断に基づくものなので、他に参考になる本やサイトを確認の上、登山を楽しんでください。
※2 載せている地図は地図アプリ「東京周辺マップ」の画面ですが、東京周辺マップは非公開になりました。地図アプリ「日本周遊マップ」をお使いください。

高尾山 (599m)

「東京周辺マップ」より 紫の線は縦走する場合のコース例

最初に目指す山は、やはり「高尾山」でしょう。交通の便も良く、山頂まで施設が整っていて、何があっても安心です。

しかし登山を始めるのですから、舗装路を歩いたり、ケーブルカーなどを使っては意味がありません。高尾山には登山コースがいくつもあります。おすすめは「稲荷山」を経由するコースです。以前に投稿がありますので、参考にしてください。

最初の登山では、山頂から別コースで高尾山口に戻ると良いですが、次回からは上記の投稿のように稜線上の山々を縦走すると良いでしょう。

高尾山へ登ったら、陣馬山石老山筑波山高水三山、など、500mから800m程度の山々を登って、登山に慣れて行くと良いと思います。

扇山 ( 1,138 m )

東京周辺マップより 紫の線が登山コース例

登山に慣れてきて、いよいよ1,000m以上の高さがある山へチャレンジしたい時におすすめなのが「扇山」です。扇山は中央本線沿線にあるのでアプローチが楽です。

扇山がおすすめなのは、富士山の眺めが良いこともあります。高尾山からでは少し遠かった富士山も、扇山からでは適度な距離で眺められます。山の大きさが周囲の山とまるで違うことに驚くでしょう。

登山口がいくつもあり、稜線上にも登山道があるので、ルートを柔軟に組み立てられます。逆に、登山口までのアプローチが分かりずらいので、地図を良く見て行動しましょう。

他に1,000m前半でおすすめな山は、大岳山御前山川苔山などです。これらを登るにつれ、登山に自信が付いてくることでしょう。

塔ノ岳 ( 1,491 m )

東京周辺マップより 紫の線が登山コース例

初心者の山々から中級山岳へステップアップする時におすすめなのが「塔ノ岳」です。塔ノ岳に登れば、登山が板に付いてきたと言えるでしょう。

そして塔ノ岳に登れるようになると、日本の山のどこへも目指せるようになります。それは、塔ノ岳の登山口から山頂までの標高差が1,200mにも及び、日本アルプスの山を登る時と大差がないからです。

山頂からの富士山は絶景です。また、東京の夜景も美しいので、一度は山小屋に泊まるのも良いでしょう。

同クラスの山で他におすすめなのは、滝子山三ツ峠山などです。今まで手に届かなかった高山が近づいてくることを実感することでしょう。

大菩薩嶺 ( 2,057 m )

東京周辺マップより 紫の線が登山コース例

2,000mの大台を超える山で最初におすすめなのが「大菩薩嶺」です。大菩薩嶺は、上日川峠から登れば、1時間ちょっとで登れてしまいます。でもそれではトレーニングになりませんから、昔からの登山口である「 大菩薩峠登山口 」から登りましょう。

大菩薩峠登山口から登ると、山頂まで4時間30分ほど掛かります。これだけ長時間掛かる山を登るのは不安ですが、大菩薩嶺の場合は近くに車道があり、上日川峠から大菩薩峠まで山小屋が散在するため、不安が少なくて済みます。

大菩薩嶺山頂は木々の中で展望がありませんが、大菩薩峠までの稜線は展望の良い散策路です。富士山南アルプス奥秩父の山々などが見え、いよいよ高山へ行きたい気持ちが昂るでしょう。

近くにある乾徳山は、大菩薩嶺と同じくらいの高さで、2,000m峰としておすすめです。

天狗岳(2,646m)

東京周辺マップより 紫の線が登山コース例

私が高山と低山の違いを感じる境界は、2,300~2400m付近です。この境界を超えると、積雲が下になり、空の青さに黒い闇を感じます。それを感じることができる山々は限られています。その第一歩におすすめなのが、八ヶ岳連峰の「天狗岳」です。

天狗岳は日帰りも可能ですが、そろそろ山小屋の利用も考えて、「黒百合ヒュッテ」などに泊まってはいかがでしょうか。私も黒百合ヒュッテに泊まったことがありますが、夕暮れに稜線まで登って見た槍穂高連峰の夕焼けの美しさが忘れられません。

天狗岳は双耳峰で、西天狗岳の方が高いです。しかし、八ヶ岳の稜線は東天狗岳の方を通ります。体調が今一つであれば、東天狗岳だけでも良いでしょう。東天狗岳だけでも、十分景色を楽しめます。

2,500m前後の山で他におすすめは、奥秩父の金峰山甲武信ケ岳などです。3,000m峰は、もう手が届く位置にあります。最終チェックを怠りなくしましょう。

北岳 (3,193m)

北岳」は、日本第二位の高山です。そんな北岳をいきなり登るなんて難しいのでは?と思いますが、3,000m峰としては一番登りやすい部類だと思います。

まず、登山口がある広河原までのアプローチが便利です。甲府駅から広河原まではバスがあるので、東京から時間が掛かりません。登る前の移動で疲れてしまっては、3,000m峰の登山が苦い思い出になってしまいます。

初心者に優しい「仙丈ケ岳」は、広河原から北沢峠行きのバスに乗る必要があります。また、北アルプスは少し遠すぎます。その点、北岳は近くておすすめです。

また北岳には、白根御池北岳肩の小屋、北岳山荘と、山小屋が適所にあります。南アルプスの山は懐が深くて初心者向きではない山が多いですが、北岳は一番人気なだけあって、充実した施設があり安心です。

登山道に特筆するような危険個所はありませんが、それでも滑落すると大事故に繋がる場所が多くあります。気を引き締めて行きましょう。北岳高山植物が多いので、展望以外も楽しめます。

急ぎすぎず自分のペースでステップアップしよう

山にはそれぞれ個性があって、その優劣はありません。日本には数えきれないほど山があるのですべて登りきることは難しいですが、少しでも多くの山に登りたいものです。

でも注意したいことは、自分の登山技術を超える山へいきなり行くのは危険だということです。確かに、体力があって天気に恵まれれば、登山が初めてでも3,000m峰に登れてしまいます。

しかし、山では晴天ばかりとは限りません。予期しない雨や風、雪に見舞われることもありますし、三点確保を守らないと滑落する場所もあります。また、疲れから来る不注意で登山道を踏み外し滑落する場合も多いです。

そのため、自分の登山スキルを自覚することが大事です。何しろ単独登山では頼れるのが自分だけです。場合によっては自分だけではどうしようもなくて人に頼ることもあり得ますが、多大な迷惑がかかります。単独行だからこそ慎重な行動が求められます。

急ぎすぎず、自分のペースで登山を楽しみましょう。