OpenStreetMapの数値地図データをGarmin GPSに転送してみた
「Garmin画面 帯広駅周辺」
OpenStreetMapの地図をGarmin GPSで利用するというのは昔から行われてきましたが、日本では地図の内容が不十分で、あまり使われてきませんでした。
しかし、OpenStreetMapに国土地理院や民間の地図ベンダーの地図が組み込まれたことにより、地図のクオリティが実用に堪えるようになりました。そこで、北海道の地図をGarmin GPSへ組み込んでみたのですが、思った以上に良いので紹介します。
※Garmin GPSのS-JIS表示可能機種を対象に説明しています。
1.OpenStreetMapから北海道地図の数値地図データをダウンロードする
OpenStreetMapの画面で「エクスポート」のボタンを押すと、左側にエクスポートタブが表示されます。そこで、「Geofabrik のダウンロード」をクリックします。
大陸別の選択画面が表示されます。ここで「Asia」を選び、次の画面で「Japan」を選択します。
日本各地の地図データがあるので、ここでは北海道を選びます。私は北海道を選びましたが、自分の住むエリアを選択すると良いでしょう。北海道は、「hokkaido-latest.osm.pbf」のファイル名でダウンロードされました。
2.ユーティリティのダウンロード
OpenStreetMapの地図からGarmin GPSの地図を作成するには、以下の2つのユーティリティを使用します。実行は、コマンドプロンプトで行います。
Javaの環境が必要なので、Javaをインストールしておいてください。
splitter.jar
OpenStreetMapの地図データは容量が大きいので、分割する必要があります。そこで使うのが「splitter.jar」です。ダウンロードは、以下のURL先で行ってください。
分割の実行コマンドは、以下のようにしてください。パスに関しては、それぞれの環境に合わせて修正してください。
java -Xmx1500m -jar ./splitter/splitter.jar hokkaido-latest.osm.pbf
template.args
分割終了後に、template.argsを開いてください。このままだと、漢字の部分が中国語読みのローマ字表記になってしまいます。そのため、日本語の指定の記述を先頭に追加します。
code-page:932 country-name:JAPAN region-name:JAPAN region-abbr:JPN country-abbr:JP family-name:OSM MAPS Family series-name:OSM ASIA Series description:OSM JAPAN name-tag-list:name:ja, name, int_name, name:en
mkgmap.jar
Garmin GPSの地図データに変換するユーティリティが「mkgmap.jar」です。ダウンロードは、以下のURL先で行ってください。
そして、分割したファイルを元に、Garmin GPSの地図ファイルを作成します。以下のコマンドを実行してください。パスに関しては、それぞれの環境に合わせて修正してください。
java -Xmx1500m -jar ./mkgmap/mkgmap.jar –gmapsupp -c template.args
実行後にgmapsupp.imgファイルができます。これを、Garmin GPSのルートへコピーすれば完了です。
3.まとめ
「Garmin画面 然別湖周辺」
実際作成してみて、実に簡単なのと、出来上がった地図の内容の濃さに驚きました。もちろん不満点(※)もありますが、今まで苦労して作った地図よりも出来が良くて満足です。
この状況がもっと早く訪れていれば良かったですが、今はスマートフォンもあり、Garminの主力もスマートウォッチになりました。一般的な需要は少ないと思いますが、古いハンディGPSを最近使わなくなった人は、OpenStreetMapの地図を入れて利用してみてはいかがでしょうか。
※道路の色が、国道、県道、市道で同じ色になる。この種別というよりは、道路幅で色が決まっているようです。国道番号や県道番号は表示されますが、同じ色だと紛らわしいのは事実です。
4.補足:garmin GPS用地図の提供サイト紹介
OpenStreetMapの地図をベースにGarmin GPS用の地図を作成して配布されている方がいらっしゃいます。こちらをダウンロードして使う方が手っ取り早くて良い場合もあるでしょう。
2つのサイトを紹介します。
OpenStreetMap for GARMIN
等高線ありと等高線なしの地図が配布されています。また、S-JISだけでなく、UTF-8の地図もあります。さらに、各国用の地図も用意されていて、地図サイズも抑えられていることもあっておすすめです。
等高線は、20m間隔です。
アウトドア用としてバランスの良い地図です。
すけログ
こちらは地図データが大きいので、SDカード対応機種をお使いの人におすすめです。等高線が10mの間隔など、詳細な地図になっています。
特定の地図要素に限定したサイズを小さくした地図もあります。
管理人さんが自転車やバイクがお好きな方なので、それらにおける利用方法が参考になります。