むかわ町 坊主山 ~ まさかの大展望!
むかわ町穂別地区にある坊主山は、標高が791mに過ぎない低山です。しかしながら、山頂からは360度の展望が広がり、夕張山地や日高山脈などを眺める絶好の展望台となっています。
それでは、ご紹介しましょう。
※写真が古いです。現状と若干の異なりがあることをご了承ください。
1.坊主山とは
「登山ルートは、登った時のGPSログを元に作成しました」
坊主山は、夕張山地の南端に位置する低山です。その標高は800mにも満たず、都市圏から離れているため、登山の対象とはなりにくいはずですが、展望が素晴らしく、山小屋まであることから隠れた名山となっています。
また、山頂近くまで林道があるため、登山は1時間ほどしかかかりません。登山初心者におすすめです。
2.坊主山へのアプローチ
坊主山登山口までは道が分かりにくく、登山よりも大変かもしれません。国道274号線をむかわ町稲里に向かって進みます。また、高速道路を利用する場合は、道東道のむかわ穂別インターチェンジで降りて、稲里へ向かいます。
稲里からは、むかわ町穂別市街(旧穂別町)へ向かいます。5kmほど進むと左に坊主山へ向かう町道がありますので、そちらに入ります。そして、さらに1.5kmほど進むと、坊主山登山口へ向かう林道があります。
林道は複雑に入り組んでいますが、間違いやすいところにはゲートが設置されているため、迷うことはないでしょう。ただし、道が荒れ気味ですから、車高の低い車は慎重に進みましょう。
坊主山登山口は広いため、駐車には困らないでしょう。
3.坊主山登山
坊主山登山口の標高が約530mもあるため、登山というよりはハイキング程度の運動で済みます。最初は針葉樹で構成された林を歩きますが、ダケカンバなどが現れてからは笹原が主体になってきます。緩やかな林道跡を進むと、水場になりそうな場所を2、3箇所横切りますが、エキノコックス汚染が懸念されるため、最低でも煮沸してから利用しましょう。
笹原の中にところどころに木が生えている頂上部は、素晴らしい展望が望めます。そして、夕張岳が威厳のある姿で見えてきます。この景色だけでも、坊主山に登る価値があると思います。
やがて、笹原の中に「山小屋坊主」が見えてきます。このような低山に立派な山小屋があるのは驚きです。詳しくは、次の項で説明します。
山小屋坊主から山頂までは、気持ちの良い高原歩きです。山頂部は少し細長くなっており、これが展望に貢献しています。山頂はちょっとした小高い丘で、360度の絶景が広がります。
夕張岳の眺めが素晴らしいことを前述しましたが、日高幌尻岳の眺めも同様に素晴らしいです。日高山脈最高峰のその姿は、ダントツの大きさであり、格の違いを見せつけています。絶対に登るべき山ですね。
周囲の広大な笹原の中に、針葉樹がポツポツと生えていて、絵になる風景が広がっています。でも、どうして山頂部が笹原になったのでしょう。普通なら木々に覆われているだけだと思います。
登山データ
登山時間:登り1時間
標高差:260m
4.山小屋坊主
坊主山の山頂部に、山小屋坊主があります。この山小屋は、他の北海道にある山小屋にひけをとらないほど、きれいで整備が行き届いています。
一般の人にも開放されているため利用できますが、もし泊まったり、設備を利用する場合は、むかわ町穂別の役所に確認が必要でしょう。ちなみにトイレはありませんから、携帯トイレが必須です。
5.むかわ町穂別に行ってみる
せっかく坊主山に来たのですから、むかわ町穂別市街にも行きましょう。ここには穂別博物館があり、むかわ竜やアンモナイトなどの化石を見ることができます。
また、東日本大震災が起こる前までは、穂別地球体験館という地球の歴史を体験できる施設がありました。残念ながら、地震により閉館となりました。
稲里には「樹海温泉はくあ」があります。黄緑色が特徴の、白亜紀の地層から湧き出るお湯を利用しています。この温泉は今後も存続して欲しいので、ぜひ利用してみてください。(冬季は休業しています。利用可能な時間を確認してから行ってください)
稲里から札幌寄りの場所に、穂別キャンプ場があります。ここは設備が整っているため、大人気のキャンプ場です。坊主山登山の前泊に最適です。
6.秋がおすすめ
坊主山を登るなら、秋がおすすめです。それは、空気が澄んで見通しが良くなった秋こそ、展望が楽しめるからです。
また、春から夏にかけてもおすすめしたいのですが、日高山脈の山と同じく、ダニの心配をしなくてはなりません。坊主山は笹原の山ですから、ダニの攻撃が人一倍あると考えてください。秋も油断しない方が良いと思います。
アプローチに時間がかかる坊主山は、わざわざ登りに行くほどの山ではない、と考える人も多いでしょう。しかし、その山頂からの眺めは素晴らしいです。ぜひ、坊主山に登ってみてください。