C++ Builder 1 フリー提供されています ~ 歴代の開発ツールを振り返る
2022年5月18日
2022年5月のある日。昔のWindows時代は良かったなあと考えている時に、そういえばC++ Builderって、どうなったんだろう?と思いググって見ると、初代がフリー提供されていました。
C++ Builder 1 フリー提供
現在、C++ Builderは、Embarcadero Technologiesが提供しています。しかし、当時はBorland社が提供していました。以下のURLからダウンロードできます。
※ダウンロード先URLを指定すると、当ページが表示されなくなります。すみませんが、検索によりダウンロードサイトを表示してください。
さっそくダウンロードして実行!と行きたいですが、C++ Builder 1は、Windows95からWindows Meまでしか動作しません。あくまでも、C++ Builder 25周年記念として、フリー提供になっただけです。Windows 16bit環境が残っている人って、どれ位いるのでしょう。
歴代の開発ツールを振り返る
思えば、私もWindowsの開発ツールをいろいろ使ってきました。今回は、それら開発ツールを振り返ってみます。
※何分、昔のことなので、記憶違いもあるかもしれません。ご了承ください。
Borland C++ 4.x、5.x
当初のWindows開発では、ソースをエディタで作成して、コマンドラインでコンパイル・リンクをしていました。Windows APIを使ってのWindowsアプリケーションの開発は、気の遠くなるような作業でした。画像を表示するだけでも、多くのコード記述を書く必要があったのです。
そんな中、Borlandから、IDEが用意された開発ツールが出ました。それが、Borland C++ 4.xJです。
※後ほど、フリーのBorland C++が出回りましたが、それはIDEがないコマンドライン版でした。
Borland C++が出ることにより、開発が大幅に軽減されました。特に、リソースエディタが強力で、苦手な画面関係が楽になったのは、ほんと助かりました。
ところが、Borland C++。品質が悪くて、とにかく誤動作する、落ちるが多発しました。特に、Borland C++ 5.0J初版はまともに動かなくて、パッチ版でも不安定でした。これで、私はVisual C++へ乗り換えることになります。
Visual C++
Borlandに先を越されたMicrosoftも、Visual C++を版数を重ねながら高機能化しました。さすがにMicrosoftだけあって品質は申し分なく、MFCライブラリの使いやすさも抜群でした。Visual C++を独学で学んだことで、プログラムの仕事を受けることができました。
Delphi / C++ Builderの登場!
Windowsの開発はMicrosoft一色になるかと思いきや、Borlandから画期的な開発ツールが登場します。それがDelphiです。Delphiは、ツールバー、プロパティ、フォームといったウインドウが独立しており、フォームにコントロールを張り付けて、そのコントロールに対してプロパティの設定、イベントの設定、イベントのコード記述ができました。
この操作性が抜群でした。自分の好きなように画面を作成して、画面上にあるコントロールの属性(プロパティ)、振る舞いを書けば良いのです。今のスマートフォン開発よりも、ずっと簡単で楽しいものでした。
しかし、DelphiはObject Pascalという特殊な言語を使っていました。C++使いからすると抵抗があったのですが、そこにC++ Builderが登場しました。当然、すぐに飛びつきました。私のオンラインソフト作成も、この時期一気に増えました。
Visual Studioの登場
Delphi / C++ Builderは安泰だと思っていましたが、Microsoftから今の統合開発ツール、Visual Studioが登場します。プログラム開発は複雑化し、単体の開発ツールでは不十分になってきたのです。
でも、私は気軽に開発できるC++ Builderを、ずっと使っていこうと思っていました。しかし、オンラインソフト作者なら良いかもしれませんが、Visual Studioに対抗するためには、Borlandも手を打つ必要がありました。
Borland Developper Studioの登場
そして遂にBorlandから、Borland Developer Studioが登場します。いや、これには参りました。今までのC++ Builderのインタフェイスを棄て、Visual Studio風のインタフェイスに変更されてしまいました。
確かに複雑化するプログラムに対応するには仕方なかったのかもしれません。しかし、あの明快な操作性を棄てたことで、プログラムが作りづらくなりました。これでは、Visual Studioでプログラム作った方が良いという話です。.NETというライブラリも登場して、Visual Studioの方が作りやすくなった感を持ちました。
その後、Borlandはなくなり、Delphi / C++BuilderはEmbarcadero Technologiesへ移管されました。Borland Developer Studio 2006がWindows 7で動作しなかったこともあり、C++ Builderを使うことはなくなりました。
C++ Builder and Delphi Community Edition
C++ Builder 1は、今のWindows 10/11では動作しません。ぬか喜びかと思ってググっていると、C++ Builder and Delphi Community Editionが2018年に出ているではありませんか。
Visual Studioと同様にCommunity Editionが出ているなんて、迂闊でした。使用条件も、自分なら問題ありません。これは、インストールするしかありません。
というわけで、次回はC++ Builder Community Editionの使用報告です。現時点ではインストールしていません。乞うご期待!(うまくいくかわかりません)
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Posted by kunimiyasoft
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